2010年6月9日水曜日

2丁目 deep bian night #2







2件目のお店でドリンク片手に、みなおしゃべりしながら
(私はビアンバー観察しながら・笑)もうちょっと踊れるところか、
ゆっくりできるところに移動しよう、と民族移動モードで路上にでる。
ストリートは相変わらず祭り状態で、おしゃれしたゲイメンズたちで
溢れかえっていた。
どこの店も人がぱんぱんで溢れかえっていて、ちょっとしたフェス気分が漂っている。
道行くファンキーな人々をみながら、ふと気づく。
六本木よりずっと国際色が豊かで、ぜんぜん雰囲気いいじゃないの〜!!
ほろ酔い気分で男も女も国籍も入り乱れた人たちをみていたら、
なんだか幸せな気分 MAX。ダイバーシティーって最高じゃん〜♥←単純な人

それから路上でうだうだ、次の店を探して歩いても、目指すお店が満杯だったり、
閉店してたり、なかなか次の場所が決まらない。時刻はまだ3時過ぎ。
始発にはまだちょっとある中途半端な時間帯。
ダイバーシティーメンバーの面々もちょっと疲れた様子。
私も一日中、重い荷物をもち歩いて、人だかりのなか立ち往生したとたん、
疲労感がぐっと増してきた。目の前のカフェが空いてたので、
「この店に入らない?」と提案すると、連れのメンバーから、
先のエントリーに書いたとおり、メンズオンリーだと思うので入れないと思う、
との答え。それでも立っているのがつらくなってきたので、
ゲイオンリーと思われる店先に置かれたベンチに座りこんだ。
友達も加わり、二人並んでファンキータウンストリートをぼ~と眺めていると、
店員さんがメニューを持って来た。
聞けば、メンズガールズ誰でもウェルカムよ~♥とナイスな返事!
聞いてみるもんじゃないのぉ~!とばかりに、皆、店に入る。

ほとんどのメンバーがお茶やコーヒーをオーダーする中、気合いのウォッカを飲む
ニッカポッカ星人は「あんたら、そんなの飲みやがってなめてんの~!?」と
ぶつくさブーイング(笑)

私の隣にはトリリンガルなコリアンギャルが座っていたので、ふと疑問に
思っていたことを聞いてみる。

私:ビアンになったのって、いつ気づいたの?
コリアンギャル(以下、コ):そりゃ、生まれたときからよ~
私:えー、そうなんだ。
コ:私は物心ついたときから、女の子大好きで、もう男なんかいらないって感じ。
だから、親にお願いして、女子中や女子高に入れてもらったの。

彼女とは最初のバーでも隣合わせになり、その席で「なんで日本にきたの?」と
尋ねたら、ライフストーリーを聞かせてくれた。
フェミニンで明るく楽しげに周りとはしゃぐ彼女だったが、
ふたを開けてみれば、なかなかの苦労人。日本にきたきっかけは、
「親に結婚しろ」ってうるさくいわれたから、一人で日本に逃げてきたらしい。
一年くらい日本語勉強したけど、言葉はわからないし、友達もいないし、
生活のためにバイトも掛け持ちして、3年間は泣き続けて暮らしていたと言う。
そんな中、ファッション系の学校に進み、いまではバッグデザインの仕事をしている。
「あの時期があったからこそ、いまはとっても楽しい!」と
前向きな彼女の笑顔はまさしく SHINING SMILE! 

で、本題の会話に戻ると、

コ:私にとっては女の子が好きっていうのは当たり前のこと。
だから、”これからずっと女の子を好きでいる”って前から決めてるの。
別に隠すことでもないし。さすがに親には言ってないけど、話が通じそうな
いとこや親族には伝えてある。”私のライフスタイルはこう”ってね。
でも、いとこは”ライフスタイルは選ぶもので、あなたの場合は選ぶというより、
生まれたときからそうだったんだから、ライフスタイルじゃないんじゃない?”って。
でも、私はそれでもライフスタイルだと思う。私がいままで見てきた中で、
女の子が好きな子たちのライフスタイルは3つあって、ひとつは私みたいに、
ありのままの自分を通して、ずっと女の子を好きでいくこと。
ふたつめは、ほんとうの自分を隠して、普通に男と結婚して子供を産む人。
みっつめは、一時的に女の子が好きでも、大人になって変わる人。
学生時代に仲良かった子たちは私以外、ほとんど今では子供を生んでるし。
だから、私にとって「女の子をずっと好きでいる」っていうことは、自分で
選んだことだし、決めたことなの。
私:へぇ~~、そうなんだ。なんだか興味深いなぁ。。
コ:格好だってそう。私はどちらかというと性格的に男っぽい部分が強いから、
前はボーイッシュな格好してたんだよね。
私:え~~!全然、想像できない!(・・くらい、彼女は男の子たちにたっぷり
もてそうなフェミニンファッションでとってもキュート)
今すごいフェミニンじゃん。
コ:よく「女の子らしいよねー」って言われるけど、「全然、違うよ」って思う。
ボーイッシュな格好をしてたのは、そのほうが相手にわかりやすいし、相手も
見つかりやすいから。でも、相手は本当の自分じゃなくて、ふとそういう格好を
している自分に惹かれてきてるのかな、って思い始めたら、なんとなくそれが
嫌になってきちゃってやめちゃった。それに、フェミニンな格好って、
お化粧したり、ヘアスタイルでいろいろできたり、
いろんなことがたくさん楽しめておもしろい~って感じなんだよね。
私:ふーん、、なんかそれ、コスプレっぽい感覚だねぇ。。
そういう感覚でおしゃれを楽しんだことないから、不思議だなぁ。。
コ:今はこれが楽しいからやってる感じ。それに、あの子たち
(外にいるゲイたちを指差して)みたいな格好しても、私の(女の)体形じゃ
格好わるいじゃん?
私:へぇぇぇ~、じゃぁ、そのときどきの気分で楽しむ感じとか?
どっちもあって、どっちだけでもないって感じなのかな。
コ:そうだねー。
私:(未知の感覚に触れて深く感銘を受ける)なるほどぉ。



そんなビアンルーツを辿ったり、ファッションのことから、話題はいかに
一般的なセクシャリティーが固定概念に縛られているか、みたいな内容に及んだ。

コ:私にとっては生まれたときから、女の子を好きなことが”当たり前”なことで、
それがたまたま世間的には”当たり前”じゃなかった。
なのに、学校の性教育では、”男女の性はこういうもの”といわゆるストレート
(HETERO-SEXUAL)のことしか教えてくれない。もしかしたら、誰でも
同性異性関わらず愛せる可能性があるのに、そのことしか教えないのに疑問を感じる。
私にとっての”当たり前”なことは、それとは違うし。
私:確かに。私も一度、仲良くしてた女友達に恋心のようなものを
抱いたことがあったな~。奇遇にも後に彼女がレズだったことを知って、
不思議な感じだったけど、どこか納得したようなことがあったんだよねー。
コ:それも、もしかしたら恋愛に発展した可能性があったかもよ。
私:そうねー。私も固定概念に縛られてるのかもね。相手が人間的に魅力的だったら、
男も女も関係ないもんね。
コ:私はあと30年くらいしたら、誰に対しても「彼女、それとも彼氏いる?」って
ふつうに両方きける時代になってると思うな。
私:そうなってたらいいねー。(本気で同意)

テーブルを見渡せば、他のメンバーはMTFの話で盛り上がっている。
「MTFって何?」という不案内な私に、今度は大和魂?をもつアメリカンJが
レクチャーを買って出てくれた。

J:”MTF”は " MAN TO FEMALE"  の略で、トランスセクシャルのことだよ。
元々は男性だけど、女性になった人ね。
私:へー、じゃ逆もあるの?
J:そうそう、その場合、"FTM" (FEMALE TO MALE) ね。
私:(そういえば、SHE - MALE ってのもあったなぁ。。と記憶をたどる)
J:トランスセクシュアルにもいろんな種類があって、内的性別 (GENDER IDENTITY)と
性的指向性 (SEXUAL PREFERENCE) が異なる場合っていうのもあるから、
けっこう複雑なんだよね。
私:何それ?具体的にどういうこと?
J:例えば、体は男に生まれたんだけど、中身は女の場合は、
ジェンダーアイデンティティ的に女だよね。
それでも、女の子が好きっていう場合もある (これはSEXUAL PREFERENCE)。
だから、男なんだけど、女の格好をしながら、女の子が好きってケースもあるのよ。
私:その場合の相手って、男の格好をした女の子を求めるの?それともふつーの女の子?
(ってこの期に及んで”ふつー”ってのもなんだが、ストレートとかレズとか、
ジェンダーアイデンティティーが肉体とマッチしていることを私的には指したつもり。
なんだかややこしいぞ!苦笑)
J:ん~、私もそんなに詳しくないけど、トランス同士のバーとかもあるから、
そういうところで相手を探すんじゃないかしら。。
私:うーむ、思ったよりも人間て複雑な生き物なんだなぁ。。
いやー、いい勉強になった!ありがとう!




みんなお酒で楽しくやってる中、私の素朴な疑問に丁寧に答えてくれた二人には
心から感謝。
同時に、話し始めると想像以上に深い考えがあり、また30+生きてきて知っていた
つもりでいたLGBT(レズ、ゲイ、バイ、トランス)の世界はずっと深く複雑に
広がっていた。そのことに今更ながらに気づき、目が覚める思い。



一連の会話から、生まれながらにして、彼女たちは
いわゆる世間的な”女的”あるいは”男的”という境界線を軽々と
飛び越えているんだな〜と痛感。彼女たちが語る”当たり前”な感覚は、
それまで触れたことのない広がりを持っていた。

人生半ばまできたけど、世の中知らないことってたくさんあるんだな~。
久しぶりにいい刺激をもらった一夜だった。

みんな和気あいあいモードで、自分自身を120%さらけだしながら、
心から楽しんでいるモーメントを共有できたのは、
とても恵まれた体験だった。
このチャンスを与えてくれた友に感謝。
もちろん、味の濃いダイバーシティーグループの面々にも(笑)。

ってことで、
HOPE TO SEE YOU ALL SOON IN ディープタウン 2丁目! 

3 件のコメント:

  1. BBQ後は、そういうことになってたのねん。楽しい夜をミスった感じで、残念っす。

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  2. many thanx for sharing this 超興味深いレポート!!
    日本って性同一性障害って病名みたいなのつけて、何かしら分類したがったり、「障害」っていう決してポジティブではないワードで表現したり、そこに悩みや苦しみをイメージさせるような雰囲気ばっかしじゃない?
    そこにずっと疑問を感じてたよ。
    実際、日本でずっと生きてきたビアン知人は、親に申し訳ないとか、なんか世間に遠慮してるんだよね。
    どういう性であれ、彼女(彼)という人間性は変わらないのに。
    私は、トランスジェンダーの人達が実は一番「愛すること」の意味を知ってるんじゃないかと思うよ。
    もしかしたら世界平和を実現出来るのは彼らなのかもしれないと本気で思うんだ!
    私、以前はidentity crisis~なんて感じてた時期あったけど、まだまだ甘いわー自分!
    関係ないけど「トランス」の持つ意味、好きなんだなー。

    またまた出てきたね、unizoneキーワード、ダイバーシティー!(笑)
    1つ1つが繋がっていったら、、、、(むほほほ、妄想中)

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  3. >トランスジェンダーの人達が実は一番「愛すること」の意味を知ってるんじゃないかと思うよ。
    もしかしたら世界平和を実現出来るのは彼らなのかもしれないと本気で思うんだ!

    そうそう、これらのトークしてる最中、私の頭のなかではMJの
    "Human Nature" がBGMで流れてたよ(笑)

    http://www.youtube.com/watch?v=UmAsRhRhqP0

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